小学校と中学校で名前が変わる科目の算数と数学。
小学校では算数と呼ばれていても、中学になると数学という風に名前が変わりますよね。
名前が変わってる分、一応違いがあることは分かるけれど、そもそも本当に違いってあるのかなぁと思われる方もいるのではないでしょうか。
もし、違うのであれば、算数が得意でも数学が苦手になるということも不思議ではありませんよね。
大人でも何が算数で何が数学か、それぞれどこが違うのかを考えるとよくわからないという方が多いと思います。
今回の記事では、算数が得意でも数学は苦手になることってあるのか、また、算数と数学の間には何か違いがあるのかについて書いていきますね。
小学校では算数が得意だったのに中学の数学が苦手になることってあるの?
結構よく耳にするのが小学校まで算数ができたのに、中学になったら数学ができなくなったという声。
そのため、算数と数学が別物だと思っている方がいますが、実際には数学は算数の延長です。
延長ですらないかもしれません。
と、言うのも、中学1年生、2年生の内容は算数と丸被りなんですね。
小学校までの内容と中学1、2年生の内容では何が違うのかというと、中学では文字や方程式を使うことくらいでしょうか。
中学2年生の内容までは、方程式を使わない小学校の算数で対応することができます。
理屈の上では算数で解くことができるけれど、算数と重複した内容を2年ほど数学らしく解くだけの数学を苦手とする子はかなり多いですよね。
細かく言えば書き方など、算数と数学の解き方や書き方に違うところもありますが、基本的な内容は小学校の時と大差はありません。
それなのに、どうして数学が苦手な子がでてくるのでしょうか。
この疑問を解消すべくちょっと実験をしてみました。
ある年の4月、中学の入学式を控えた新中学1年生に新中学3年生の模試を受けさせてみたんですね。
新中学1年生の子たちから見ると2学年上ということですね。
どんな結果になったと思いますか?
新中学1年生に新中学3年生の模試を受けさせてみた結果
偏差値で見てみると、新中学1年生の子たちが取ったのは45くらいが多い感じでした。
大体この辺りに集中した感じです。
中には偏差値50を超える強者もいました。
思った以上に小学校の内容で中学内容は対応できるという印象があります。
模試を解いているときに感心したのが、連立方程式を自己流で解いちゃった子です。
適当に代入して解いたのではなく、きちんと加減法で解いちゃいました。
算数でも連立方程式と似た概念は使うので、それと同じことと解釈したことに驚きでした。
この新中学1年生の子たちに教えていたことは、文字式の理屈などです。
中学内容は2月から3月の2ヶ月の学習期間で、教えた分量は大体中学1年生の1学期分くらいでしょうか。
文字式が分からないと、数学の問題が何を言っているのか理解できないので教えておきました。
連立方程式に関しては、軽く触れたくらいです。
あとは英語なども、年が明けてからある程度教えている子たちです。
やり方そのものはそこまで時間もないので教えていないのですが、予想以上に数学を解くことができました。
この結果をみてみても、算数と数学が別物とは思えません。
なぜ算数はできたのに数学はできない子になるの?
算数が数学の初歩であれば、算数が得意なら数学も得意になりそうなものです。
しかし、現実には算数が得意だったのに、数学は苦手というお子さんがかなりいます。
「小学校の時はできたのに…」ということになっちゃうのは残念ですが、かなり数学が苦手になってしまうお子さんが多い気がします。
では、どうして算数は得意だったのに、数学は苦手になってしまったのでしょうか。
色々な理由があると思いますが、1番多い原因はそもそも算数が得意ではなかったということではないでしょうか。
なぜ「算数が得意だ」と思ったのでしょうか。
ここが1番のカギになると思います。
算数が得意だと判断したのは算数のテストの点数からではないでしょうか。
例えば、「小学校の算数のテストで100点を取った」、「小学校のテストでは大体100点だった」というときです。
しかし、ここが落とし穴ということが多いです。
何が落とし穴なのかというと、そもそも小学校のテストで100点はかなりとりやすいものです。
きちんとできていれば、100点は取れるようにできているといった方がいいかもしれません。
つまり、小学校の算数のテストで100点が取れるこの中には、算数がしっかりできるお子さんもいれば、意味が分からないけれど、100点は取れるというお子さんもいます。
小学校の算数のテストで100点が取れるということが、算数が得意であるということにはなりません。
・小学校のテストで点数が出せないと中学校の成績も悪くなるって本当?点数が取れない意外な理由とは!?
小学生のうちは算数が得意だったのに中学生になって数学が苦手になったというお子さんは、算数では理解はあまりできていないけど100点が取れてしまっていたお子さんということが少なくありません。[1] … Continue reading
中学の数学が苦手にならないようにするには、お子さんの算数のテストの点数だけで、理解の度合いを判断しないようにしましょう。
算数のテストでは100点、高得点を取ることを目的にするのではなく、きちんと算数の内容の理解をすることを目的にすることが大切です。
・小学校では出来る子だったのに中学校に上がると成績が下がるのは本当?小学生のうちから出来る対策やその原因を紹介!
・子供の算数の苦手を探すには?
算数と数学ってそもそも何か違いがあるの?
国語や理科、社会、体育などの科目は中学校に入学しても、科目の名前はそのままです。
それに対して、小学校でいう算数は中学に上がると数学に名前が変わります。
こんな科目は算数・数学だけではないでしょうか。
名前が変わるということはなにか違いがあるのでしょうか。
一応、文部科学省がしている定義では算数と数学には差がありますが、算数は数学の初歩で、数学はその先をする科目と考えるくらいでちょうどいいのではないでしょうか。
算数は日常生活で使うもので、数学は日常的に目にしないような抽象的なものを扱うような違いがあるようですが、中学校の文章題でも日常を題材にしてものが出てきます。
明確に算数と数学にそのような違いがあるとすれば、日常で使うようなもの[2]「1つ50円の消しゴムと1本60円の鉛筆を何本か買うと代金は170円になりました。鉛筆を何本買いましたか。」というような問題のことです。を数学で出題するのは範囲外な気がします。
また計算問題は具体的なのか、抽象的なのかと考えていくと算数なんだか数学なんだかよくわからなくなりますよね。
実際にはぼんやりとしたなんとなくの区分けがあるだけで、実質的に小学校でする数学の初歩を算数、中学でする小学校の算数の続きを数学というと考えるくらいでいいのではないでしょうか。
まとめ
今回の記事では、算数が得意でも数学は苦手になることってあるのか、また、算数と数学の間には何か違いがあるのかについて書いてみました。
基本的に算数と数学の間に違いはないと思ってOKだと思います。
また中学校で数学を得意にしてあげたい!とお考えの場合は、学校のテストの点数を基準に考えると失敗することが結構あります。
小学生のうちはテストの点数を重視するというよりも、きちんとした理解をお子さんができているかをみるのが最も大切ではないでしょうか。
親御さんが点数ではなく算数への理解を大事にしていることが分かれば、お子さんも点数だけでなく、算数を理解することにも価値を見出してくれるのではないでしょうか。
そうしていくことが、中学校での数学を得意にできる一歩なのかもしれませんね。
・小学校から中学校に上がると算数が数学になって難しくなるの?