小学校から中学校に進学すると成績が下がるというお話を聞いたことはありませんか?
「うちの子、小学校の時の成績は良かったのに、中学生になってからはさっぱり…」なんてことを言われる親御さんもいらっしゃいます。
逆に「うちの子、小学校の時はさっぱりだったのに、中学生になってからは成績が良くて…」なんて話はあまり聞きません。
これって親御さんが謙遜されていると言う訳ではなく、実際にそういう印象が誰しもあるのではないでしょうか。
不思議と中学になると成績が下がったというお子さんやそれを経験した親御さんが多いんですよね。
今回の記事では、なぜ中学になったら成績が下がってしまうのかについて書いてみたいと思います。
小学校で成績がよくても中学校では大きく下がる?
「うちの子、小学校では成績がいいんだけど、中学校では大丈夫かしら…」と心配になる親御さんも多いのではないでしょうか。
「うちの子、小学校までは成績が良かったんだけど、中学生になってからは下がる一方」なんて先輩ママの話を聞いた日にはその心配は大きくなってしまいますよね。
中学校の体育祭など親御さんが集まる中での親御さん同士の会話からも聞こえてきたことがあります。
学校行事の短い時間の間でも耳にしてしまう、「小学校までは良かったけど中学になると成績が悪くなる」というお話。
これって事実なんでしょうか。
小学校と中学校のテストの点数で比較すると…
まず第1に小学校と中学校のテストの大きな違いから見ていきましょう。
1番の違いは小学校のテストは100点が取れるテスト、中学校のテストは100点が取れないテストであることではないでしょうか。
小学生だと「テスト100点だったよー」という言葉は聞けると思うのですが、中学生になるとそんなセリフを聞くことができる親御さんはほんのわずかでしょう。
中学生になると100点を取るのが圧倒的に難しくなります。
親御さんが現役小学生、中学生だった頃を思い浮かべてみれば、納得ですよね。
と、言うことから考えると、絶対的なテストの点数で比較をすると、どうしても中学生になってからのほうが点数が下がることになります。
その結果「小学生の時の方が成績が良かった」となってしまうといえます。
テストの点数においての小学生のときの成績と中学生の成績とを比較してみたとすると、中学生になってからのほうが点数が下がって当然と言えますね。
中学生になって点数が上がったという場合は特殊な場合と言って良さそうです。
小学生から中学生になって、本当に成績は下がっているの?
確かにテストの点数を比較していくと、小学生の時と中学生の時の成績は下がったとは言えなさそうです。
中学生になって成績が下がったという話をよく聞くけれど、本当に成績って下がっているのでしょうか。
基本的に小学校のテストは100点が取れるようにできています。
このことから考えると、小学校のテストで100点を取っているお子さんはたくさんいるということです。
例えば中学1年生で80点以上が取れる子たちはみんな小学校のテストでは100点が取れていたというイメージでしょうか。
さらに学年を上げていくと中学3年生の時に50点以上取れるお子さんたちが小学校のテストでは100点をとれていたというイメージです。
小学校のテストでの成績の良し悪しから、中学でのはかれないということが言えます。
小学校のテストは、100点が取れるようにできていますから、中学校の成績の予想は難しいです。
「小学校のテストで100点が取れる」=「成績がいい」というのは、完全には成り立ちません。
もちろん一部のきちんと理解して、100点を取っているお子さんもいます。
一方で、この単元では掛け算しか出ないからとりあえず掛け算をしよう!という、大人の事情をうまく利用するお子さんもいます。
単元ごとにテストが行われるので、何算を使うのかなど何かしらそのテストごとに癖があります。
その癖をうまく使うと、理解をしていなくても100点を取りやすくなります。
小学生の勉強は易しい?中学生の勉強内容は難しい?
中学になると成績が下がったように見えるために言われるのが、中学生になると勉強の内容が難しくなるということ。
小学校の先生のなかでもそうおっしゃる方もいらっしゃいます。
私は中学の内容が難しいということに関しては嘘っぽいなと思っています。
小学校、中学校、高校の勉強と並べて考えると、最も易しいと思えるのは、中学校です。
小学校の内容が簡単に見えるのは、その内容のせいではなく、テストに原因があります。
ある程度できていれば、100点が取れるようにできています。
逆に考えると、100点を取るにはある程度できればいいということなんです。
きちんと教科書をしっかり覚えて…なんてところまでは求められていません。
そんなこともあり、小学校の内容で手を抜いて、テストで高得点をとるだけであれば、圧倒的に手が抜くことも不可能ではありません。
その反面、教科書の内容などをきちんと学んでいき、身に付けていこうと考えると、勉強量や暗記量は結構なボリュームになります。
その内容の多さに加えて、その勉強を年齢が6歳~12歳のお子さんが学習すると考えると小学校の内容って侮れません。
それと比較すると中学校で習う数学の内容は算数の表現が変わったモノが多いです。
頑張れば小学生でも、中学2年生くらいまでなら対処できるお子さんもいると思います。
例えば連立方程式もきちんと理解すれば算数の範囲で十分に答えが出せます。
中学受験では常識とも言える問題ですが、学校の教科書くらいのことが分かればきちんと解くことができます。
難しいと言われる中学生の数学でも算数の理解が深ければきちんと対応することが可能です。
中学生になって成績が下がり始めるのはいつ頃からが多いの?
では、具体的に成績が下がり始めるのはいつ頃が多いのでしょうか。
よく聞くのは中学1年生の2学期あたりからという話。
なぜ中学1年生の2学期あたりで成績の急降下が起こるのでしょうか。
中学1年生の2学期に訪れる成績の急降下
中学1年生の1学期の内容は、小学校の復習[1]あまりしないこともあります。から正の数負の数、文字式、方程式と扱って行きます。
2学期辺りに登場することが多いのが、方程式の文章問題です。
これは文章問題になったから難しいと考えられがちですが、実はそうではありません。
別にそんなに難しくはなっていません。
小学生で実験をしたことがあるのですが、1次方程式の問題を解いてもらいました。
結果はどうなったと思います?
普通に解けちゃいました。
中学1年生の方程式の文章問題と小学生の文章問題は似たりよったりとも言えるのではないでしょうか。
次にこの解けた子たちが中学生になって方程式の文章問題を解かせてみました。
前回はまだ小学生だったので解き方は自由にしています。
今回は中学生になったので、解き方を指定しました。
それは方程式を使うこと。
今度は意外な結果になったんですが、どうなったか想像できますか?
ある子が言ったのは、
「答えが先に出てきて式が立たない…」
ちょっと予想外でした。
先に答えが出てくる…
「普通に解いたら答えが出るのに式がいるの?」
そんなこと言われたら迷いますね。
別に方程式を立てなくても普通に解けば答えが出てくる問題に立式が必要なのか。
ただ学校のテストでは式を書くことが指示された問題がでるはずなので…
それから方程式を立てて、解けるように説明しましたが、
「式を立てる方が難しい」
と、ぼやいていました。
中学で数学ができなくなる原因は?
このように子どもたちを見ていくとできなくなる原因は数学にはないのではと思います。
もちろん、数学の理解が浅いことが原因のこともあると思います。
ただ、方程式の応用問題として扱われる問題は何が題材になったモノでしょうか。
難しいと言われる方程式の文章問題は、速さや割合が題材になったモノが多いのではないでしょうか。
そう考えると、数学の応用問題が難しいというよりも、数学に算数の内容が混ざったものが難しいと言えます。
そうみていくと、数学が苦手になる原因は算数に起因しているように思われます。
中学の数学で落ちこぼれないようにするためのコツとは、算数の理解を深めるということが最も有効な対策な気がします。
数学で易しい問題をみると算数レベルと馬鹿にするお子さんもいますが、そんなに算数って簡単なものではないと思います。
中学生になって成績が下げないためには、小学生のうちに何をしておくといいの?
小学校のテストの点数が取れていても安心はできません。
と、なると小学生のうちにどこに気を付けるといいのでしょうか。
テストの点数が悪くても叱らない
どうしても点数で判断してしまうところもあると思いますが、小学校のうちは点数の追求ばかりをしないようにした方がいいと思います。
もちろん1つの評価としてみるのはいいのですが、点数が悪いことを叱らない方がいいと思うのです。
点数が悪いことを叱られるとお子さんはその後どのような行動にでるのでしょうか。
私(僕)が悪かったなぁ、次のテストではきちんと点数が取れるように勉強しよう!となるでしょうか。
大抵の場合はどうしたら、もう怒られたくないな…とりあえず点が取れる方法で…楽に点数がとれる方法はないかな?と考えるお子さんが多いのではないでしょうか。
てっとり早く点数が取れる方法を考えていくと、使いやすい方法は大人の事情大作戦です。
今習っている単元は掛け算の単元だからとりあえず掛け算をして…
と、いうように、算数の理解ではなく、その単元で出てくる解き方にヤマをはってしまうという方法です。
こんな方法でも意外と点数が取れてしまうということもすくなくありません。
これで点数が取れてしまうと、算数を理解するなんてことはどうでもいいと考えてしまいます。
お子さんの目線からすると点数さえ取れれば後はどうでもいいのですから。
まとめ
今回は、小学生の時に成績が良かった子が中学になると成績がさがる原因について考えてみました。
算数と数学について書いてみましたが、よくお子さんの成績が下がると勉強不足、努力不足と言われがちです。
それなのに成績をあげる手段は与えられないことが多いのが現実ではないでしょうか。
「頑張れ-、頑張れ-」と応援して、「勉強しろー、勉強しろー」とお子さんを追い込んでも成績が上がらないのは自然なことです。
出来ない原因と、勉強することがズレていれば、努力をいくらしてもなかなか成績向上にはつながりません。
きちんと原因を追及して、正しい努力をして成績をあげるのが1番いいのではないでしょうか。
References
↑1 | あまりしないこともあります。 |
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