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倍の計算の仕方の教え方は?割り算になるのはどうして?

小学4年生で登場する倍の計算は意外と難しい内容になります。
比のようにも見えるし、割合のようにも見えます。
倍の計算は、割り算を使えばいいというのは、習っているときには分かるのですが、なぜ割り算を使うのかを考えると、??となるお子さんが多いのではないでしょうか。
今回の記事では、小学4年生でならう倍の計算の仕方の教え方について書いてみたいと思います。

倍の計算の仕方の教え方は?割り算になる理由は?

それでは倍の計算の仕方を、例題を使って考えてみましょう。

例題
白ねこが2ひき、黒ねこが12ひきいます。黒ねこの数は白ねこの数の何倍ですか。

黒ねこ12ひきが白ねこ2ひきの何倍かを求める問題です。
簡単に考えると、12の中に2がいくつ入っているのかということが分かれば答えが出せることになります。
と、言っても苦手な子にはなかなか伝わりません。
この問題の場合は答えが整数値なので、割り算を使わなくても求めることは可能です。
割り算を使わない方法でまずはみてみましょう。

倍の計算を絵図で解いてみる

白ねこ2匹と黒ねこを12匹を書いてください。
黒ねこが白ねこの何倍なのかを知りたいので、2匹ずつ黒ねこを四角で囲んでみます。[1]白ねこが2匹なので黒ねこも2匹ずつ囲んでいます。もし白ねこが3匹であれば、黒ねこも3匹ずつ囲みます。
すると下の図のようになります。

図から、黒ねこの数は白ねこの数の6倍ということが、分かりました。
こんな感じの絵図で解いてしまうのは算数的には反則ですが、お子さんが直感的に分かるようにするためにはいいツールになると思いますよ。

倍の計算を足し算で解く

もう1つ足し算を利用して、倍の計算を解いてみます。

先ほどの問題を端的に見ると、「12は2を何倍した数ですか。」と読み替えることができます。
「12の中に2はいくつありますか。」ということです。
12を2の塊に分けてみましょう。
12を2のかたまりに分けてみると、$$12=2+2+2+2+2+2$$となります。

12の中には2が6つあるので答えは6倍ということになります。
これは答えが整数なので、たまたまできちゃうという感じになってしまうため、あまり使わないほうがいいのです。
しかし、自分自身がどんな計算をしているのか、何をしているのかという意味をお子さんに理解してもらうにはいい方法だと思います。

倍の計算を割り算を使って解いてみよう

それでは、割り算を使って考えてみます。

12の中に2のかたまりがいくつあるのかを求めればいいので、$$12\div 2=6$$よって答えは6倍ということになります。
割り算の包含除の考え方が分かっていれば、すんなりできると思います。

もしお子さんがこのことを理解できないときは、絵図で解いてみたり、足し算で解いてみたりしてみると、何をしているのかの実感も湧くと思います。
色々な図や表などを通して作業することで理解が深まると思います。

もう1問例題を解いてみましょう。

例題
たろうくんの犬の体重は5\(kg\)、たろうくんの体重は25\(kg\)です。たろうくんの犬の体重を1とみたとき、たろうくんの体重はいくつにあたりますか。

たろうくんの体重\(25kg\)の中にたろうくんの犬の体重\(5kg\)がいくつ入っているのかが分かればいいということですね。
先ほどと同じように25を5のかたまりに分けてみると、$$25=5+5+5+5+5$$となります。
25には、5の塊が5つあるので、たろうくんの体重はたろうくんの犬の体重の5倍ということになります。

割り算を使って考えると、$$25\div 5=5$$

25の中に5が5つあるということが分かりました。
たろうくんの体重は犬の体重の5倍ということが分かります。

しっかりイメージができた状態で解けるようになると、割合の単元でも楽に解くことができますよ。

練習問題

1、りんごが7こ、みかんが14こあります。みかんの数はりんごの数の何倍ですか。

2、たろうくんはあめを4こ食べました。たろうくんのお兄さんはあめを20こ食べました。たろうくんのお兄さんが食べたあめの数はたろうくんの何倍ですか。

3、青いリボンは3\(cm\)、赤いリボンは27\(cm\)あります。青いリボンの長さを1とみたとき、赤いリボンの長さはいくつにあたりますか。

解答と解説

1の解説

14の中に7がいくつあるのかが分かればいいので、$$14\div 7=2$$よって2倍となります。

2の解説

20の中に4がいくつあるのかが分かればOKいいので、$$20\div 4=5$$よって5倍となります。

3の解説

27の中に3がいくつあるのかが分かればいいので、$$27\div 3=9$$答えは9となります。

まとめ

今回の記事は、小学4年生で習う倍の計算の仕方の教え方についてでした。

内容的には小学5年生で習う割合の易しいものという感じでしょうか。
なんとなく解くには大して難しくないのですが、きちんと分かって…となるとなかなか難しいと思います。
割り算の包含除の概念がきちんと分かっていれば、解きやすいと思います。

今回の記事では足し算の形で問題を解いたものがありますが、学校の答案に書くのはあまりおすすめしません。
何をしているのかとうことをお子さんに理解してもらうために紹介した式です。
もちろん理屈的には間違っていないとは思いますが、教科書や学校で習うやり方ではないのでテストでは控えたほうが賢明です。
テストではきちんと割り算の方の式で書いてくださいね。

【関連記事はこちら】
もとにする量が分からないような倍の計算の文章問題の教え方は?

割り算の単元の倍の計算でかけ算を使うのってどんな時?文章問題と図を使って教え方のコツを解説! 

References

References
1 白ねこが2匹なので黒ねこも2匹ずつ囲んでいます。もし白ねこが3匹であれば、黒ねこも3匹ずつ囲みます。