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帯分数は仮分数に直すのは絶対なの?分数をそのまま計算した方がいいときってある?

帯分数は整数部分と分数部分からなる分数で、仮分数は分母より分子が大きな分数です。

帯分数も仮分数も特徴があり、帯分数を仮分数にしたほうがいい場合、仮分数を帯分数にしたほうがいい場合もあります。

今回の記事では、仮分数のままがいい場合と、帯分数のままがいい場合について書いてみたいと思います。


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帯分数は仮分数に直すのは絶対?分数をそのまま計算した方がいいときってある?

問題によって帯分数が良かったり、仮分数が良かったりと意外と奥の深い帯分数と仮分数。
大人から見るとどっちでもいいんじゃない?と思えるところではありますが、分数に不慣れな小学生からみるとなかなか複雑怪奇なものとして目に映るのではないでしょうか。
大抵の場合、仮分数にすれば何とかできるものですが、帯分数の方が扱いやすい場合もあります。
そんな場合をざっくりご紹介します。

仮分数の方が扱いやすい場合

どの分数を分数の基本形と考えるといいのかというと、基本的には仮分数[1]分子のほうが小さいときは真分数ですが…を基本に考えるとうまくいくことが多いです。
分数の計算問題や文章問題で、出てきたときに困ったらとにかく仮分数にする!と思って大丈夫です。
帯分数のままだと計算しにくいモノもあります。

例えば分数のかけ算や割り算。
例題を使って説明しますね。

例題
次の計算をしましょう。$$2\frac{1}{2}\times \frac{3}{7}$$

こんな計算の場合は、帯分数を仮分数に変えて計算するのが一般的です。
\(2\frac{1}{2}\times \frac{3}{7}=\frac{5}{2}\times \frac{3}{7}=\frac{15}{14}\)といった感じにして計算するといいと思います。

もちろん帯分数のままで計算することが不可能というわけではありません。
一応小学生の理屈でも十分に計算することが可能です。
帯分数のままで計算してみましょう。

帯分数のまま掛け算をしてみる

\(2\frac{1}{2}\)は、\(2\)と\(\frac{1}{2}\)という意味なので、この時は\(\frac{3}{7}\)が2個と\(\frac{1}{2}\)個あると考えると、\(\frac{3}{7}\times 2+\frac{3}{7}\times \frac{1}{2}=\frac{6}{7}+\frac{3}{14}=\frac{15}{14}\)となります。

一応、帯分数のまま計算ができましたね。
ただ、こんなことをいちいちしたくはないので、素直に帯分数があるときは仮分数に直して計算する方が現実的ではないでしょうか。

折角なので、帯分数×帯分数も帯分数のまま計算できないかみてみましょう。

帯分数×帯分数の計算を帯分数のままやってみる

それでは例題を使ってやってみます。

例題
次の計算をしましょう。$$2\frac{1}{3}\times 1\frac{1}{4}$$

\(2\frac{1}{3}\times 1\frac{1}{4}\)は\(2\frac{1}{3}\)が\(1\)個と\(\frac{1}{4}\)と考えてみます。
すると\(2\frac{1}{3}\times 1+2\frac{1}{3}\times \frac{1}{4}\)となります。
さらに後ろの部分の、\(2\frac{1}{3}\times \frac{1}{4}\)を\(\frac{1}{4}\)が\(2\)個と\(\frac{1}{3}\)個と考えます。
\(2\frac{1}{3}\times 1+2\frac{1}{3}\times \frac{1}{4}=2\frac{1}{3}\times 1+\frac{1}{4}\times 2+\frac{1}{4}\times \frac{1}{3}\)となります。
あとはそのまま計算して、\(2\frac{1}{3}+\frac{1}{2}+\frac{1}{12}=2\frac{11}{12}\)となります。

はっきり言って、やりにくいし小学生には難しいと思います。
また、この計算のスキルが役に立つことはなかなかないはずです。
素直に仮分数にして計算する方がよさそうですね。

一応仮分数にして計算してみると、
\(2\frac{1}{3}\times 1\frac{1}{4}=\frac{7}{3}\times \frac{5}{4}=\frac{35}{12}(2\frac{11}{12})\)となりました。
こちらの方が楽に間違いなく計算できそうですね。

帯分数を帯分数のまま計算したほうが楽な場合

帯分数を帯分数のまま計算したほうがいいことが多いのは、ズバリ足し算と引き算の場合です。
例題を使って説明していきますね。

例題
次の計算をしましょう。$$2\frac{1}{3}+1\frac{1}{4}$$

式の中身をみていくと、
\(2\frac{1}{3}\)は、\(2\)と\(\frac{1}{3}\)、\(1\frac{1}{4}\)は\(1\)と\(\frac{1}{4}\)からできているということになります。
つまり整数部分同士で、分数同士で足しちゃうってことができるってことです。
整数同士、分数同士で足してみると…
\(2\frac{1}{3}+1\frac{1}{4}=(2+1)+(\frac{4}{12}+\frac{3}{12})=3\frac{7}{12}\)となりました。

これを仮分数にして計算してみると、
\(2\frac{1}{3}+1\frac{1}{4}=\frac{7}{3}+\frac{5}{4}=\frac{28}{12}+\frac{15}{12}=\frac{43}{12}(3\frac{7}{12})\)となります。
仮分数にしても計算そのものはできますが、数字が大きくなり計算が大変になるので、帯分数のままの方がやりやすいと思います。

まとめ

今回の記事では、仮分数のままがいい場合と、帯分数のままがいい場合について書いてみました。
基本的には仮分数が扱いやすいという認識でいいと思います。
ただ、足し算や引き算の時は帯分数をあえて、仮分数にする必要性はあまりありません。
あるとすれば引き算の場合くらいでしょうか。

ただ、分数の足し算や引き算の問題文中の分数が、仮分数だった場合は帯分数に直した方が楽に計算できるという場合はほとんどないと思います。
大抵どっちもどっちという感じになりやすいです。
帯分数は中学や高校に上がると、扱う機会は激減します。
ほとんどないと言っても過言ではありません。
きちんと分数の理解をするという意味では帯分数も仮分数も扱えるようにしておくことがおすすめです。
お子さんが算数が嫌いすぎて、あまりに計算が苦手…という場合はすべて仮分数に直すものだとして教えてもいいかもしれません。

分数は数字のなかでもイメージがしずらい数字になるので、少しずつ理解が深まるといいですね。

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References

References
1 分子のほうが小さいときは真分数ですが…