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割り算の文章問題が解けない!包含除の意味から考える教え方って?

四則計算の中で大トリを務める割り算。
割り算以外の四則計算である、足し算や引き算、掛け算は意味が単純なのに対して、割り算は大きく2つの意味があるためきちんと理解するのが大変です。
2つの意味は、それぞれ「等分除」[1]読み方は「とうぶんじょ」です。、「包含除」[2]読み方は「ほうがんじょ」です。と呼ばれます。
教科書には特に登場しないので(多分)、聞きなれない言葉かもしれません。
この2つの言葉そのものを知らなくても困ることはありませんが、理屈はしっかり知っておくのがおススメです。
そうは言っても、意外とこの2つの意味をしっかり理解して使っている小学生は少数派な気がします。
小学3年生でこの2つの割り算の意味を理解で来ていれば、すごいなぁと私なんかは素直に思ってしまいます。

今回の記事では、包含除の概念を使った割り算の文章問題の教え方について書いてみたいと思います。

割り算の包含除を使った文章問題の教え方は?

文章問題にとりかかる前に、お子さんが割り算の意味をきちんと理解しているのかを把握することが大切です。
小学3年生の割り算の文章問題は、言っちゃえば、割り算の意味なんて分からなくても解くのは簡単です。
まだ小数も分数も習っていない状況なので、「大きい数字÷小さい数字」とすれば答えが出てしまいます。

特に小学生のテストでは何算を使えばいいのかは明確ですよね。
テストの上の方に単元名が入っていることが多いので、そこをみれば何算を使うのかバレバレです。
ちょっと違うところに頭を使っちゃう子供たちは、小学3年生の割り算の文章問題の単元であれば、「大きい数字÷小さい数字」という情報で乗り切っちゃうこともあります。

ただ親御さん目線ではそんなよく分からない役に立たないテクニックで乗り越えてほしくないですよね。
後々を考えるとしっかり理解してほしいものです。
そのためにはまずは、「包含除」と「等分除」の意味を理解するのが近道です。
ここを完ぺきにとすると、お子さんがめげてしまうこともあるので、なんとなくぼんやりイメージできるというくらいの理解でいいと思います。
文章問題を解く中で少しずつ割り算の完璧な理解に近づけていくのが、現実的ではないでしょうか。

それでは例題を見ていきましょう。

例題
リンゴが12こあります。1人に4こずつ分けると何人に分けることができますか。

この記事では割り算のことを書いているので、割り算を使うということに山を張ってみると…$$12\div 4=3$$となり、答えは3人となります。
解くという意味ではこれで解けちゃいますね。
割り算と言うことが分かっていれば、小学3年生の段階では「大きい数字÷小さい数字」で解けてしまうことは理解していただけると思います。
ただ「小さい数字÷大きい数字」が可能になってくると、グッと難しくなってくるので、まだ計算が単純なうちにきちんと意味の理解までしてもらいましょう。

まずは絵図を描いてみましょう。
「りんごが、12個あります。」とあるので、りんごを12個書いてみましょう。

次に「4こずつに分ける」とあるので、りんごを4つで1組になるように囲んでみましょう。

すると、りんご4つずつのグループが3つできました。
よって、答えは3人となります。

この問題で使った割り算の考え方を包含除と言います。
包含除の考え方で\(12\div 4\)を考えると、「12の中に4のかたまりはいくつできるのかを求める式」ということになります。
\(12\div 4=3\)となるので、12の中に4が3つあるということが分かりました。

易しい問題ではありますが、きちんと考えると割り算の理解が深まりますよ。
もう1題例題をやってみましょう。

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例題
シールが20まいあります。1人に4まいずつ配ると何人に配ることができますか。

早速、絵図を描いてみましょう。
「シールが20枚あります」となっているので、まずはシールを20枚描きます。

1人に4まいずつ配るので、先ほどの絵図のシールを4まいずつ囲んでみましょう。

すると、4まいのかたまりが5つできました。
よって、シールは1人に4枚ずつ配ると5人に配れるということが分かりました。

さて、式を立てて解いてみます。
20の中に4のかたまりが、いくつあるのかが分かれば答えが出せそうです。$$20\div 4=5$$となり、答えは5人となります。

練習問題

1、クッキーが54まいあります。1ふくろに6まいずつ入れると何ふくろ作ることができますか。
2、花が35本あります。5本で花たばを1つ作ると、花たばはいくつできますか。
3、色紙が49まいあります。1人に7まいずつ配ると何人に配ることができますか。

解答と解説

1の解説

クッキーが54枚ありそのクッキーを6枚ずつ袋に入れるので、54の中に6がいくつあるのかが分かればいいですね。$$54\div 6=9$$よって9ふくろつくることができます。

2の解説

花が35本ありその花を5本ずつで花束を作るので、35の中に5がいくつあるのかを考えます。$$35\div 5=7$$となるので、花束は7つできることになります。

3の解説

色紙が49枚あり色紙を7枚ずつ配るので、49の中に7がいくつあるのかを求めます。$$49\div 7=7$$となり、色紙は7人に分けられることになります。

まとめ

今回の記事では、包含除の概念を使った割り算の文章問題の教え方について書いてみました。

例題2題と練習問題3題すべて包含除の考え方になります。
絵図を使うことでビジュアル的に何をしているのかをつかみやすくなります。
単純に計算式を立てて解くことも可能ですが、絵図を描くことで割り算の式の意味を理解したりイメージできるようにすることがおススメです。
お子さんに絵図を描けー!!と言ってもなかなか書かないことも多いと思います。
そんなときは一緒にお絵かきをしながら理解を深められるといいですね。

【関連記事はこちら】
割り算の等分除と包含除の意味と違いの教え方とは?

References

References
1 読み方は「とうぶんじょ」です。
2 読み方は「ほうがんじょ」です。