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なぜ上りや下りは船の速さが静水時と違うの?流水算のイメージから解き方までを説明!

速さの問題のなかでもややこしいほうに入る問題です。
流水算なんてかっこいい名前で呼ばれることもありますが、名前がかっこいいだけあってなかなか難しい問題です。
池のような水が動かないところであれば陸上と同じように計算できるので特に変わりなく終わります。
しかし、これが川を上る船や、下る船となると途端にややこしくなってきます。
まずは川の水が流れているということの理解が必要です。

きちんと理屈が分かれば基本的な問題にちょっと手間を加えてあげるとできるようになります。

上りや下りの船の速さが静水時とは違う理由を理解して流水算を攻略!

流水を感じられるというとやはり川。
今どきのお子さんだと流れるプールなんかでは水の流れを感じることができます。
流水算なんて難しい名前で登場するので身構えてしまいますが、流れるプールと理屈は一緒です。
きちんとイメージを作りながら解いていくと随分と楽に解くことができると思います。

まずは言葉から確認していきましょう。

問題文中に静水時という言葉が出てきますが、意味は水が動いていない時ということです。
イメージは池や湖を思い浮かべてもらえればOKです。
静水時は、電車や自動車や人が歩く速さの問題と何の違いもないので、今まで通りに解くことができます。

それでは流れる川を上ったり下ったりする船が、流れにどんな影響を受けるのかを考えていきます。

時速\(1km\)で流れる川があるとしますよ。
この川に船を浮かべると、船はどうなると思いますか。
船は流されていきます。
その時の速さは川の流れと同じ速さになります。
つまりこの時の船が流される速さは時速\(1km\)となります。

次にこの船を動かしてみましょう。
この船の静水時の速さが時速\(10km\)とします。
この船で川を上るときの速さを考えます。
川の流れは時速\(1km\)です。
何もしなければこの船は時速\(1km\)で流されていきますが、時速\(10km\)でこの川を上ろうとする時の速さは時速何\(km\)となるか想像できますか。
流れに逆らうので速さが遅くなるのはイメージできますよね。

ここがイメージできれば、あとはどれだけ遅くなるのかを考えます。
時速\(10km\)で上り、時速\(1km\)で船が下流に流されるので、この時の船の速さは、$$10-1=9$$船の速さと川の流れの速さの差をとって、時速\(9km\)となります。
流水算速さの計算(川上)また、逆に船がこの川を下るときは、船の速さが早くなることはイメージできると思います。
時速\(10km\)で下り、時速\(1km\)で川に背中をおしてもらうので、$$10+1=11$$船の速さと川の流れの和をとって、時速\(11km\)となります。
流水算速さの計算(川下)船が川を下るときには、流れる川の速さと船の速さの和が船の速さになり、
船が川を上るときには、流れる川の速さと船の速さの差が船の速さになります。

それでは例題を使って流水算を解いてみましょう。

例題
静水時の速さが時速\(16km\)の船で時速\(2km\)の速さで流れる川を15分下りました。
船は何\(m\)川を下ったことになりますか。

静水時の速さが\(16km\)で川を下るので、速さは速くなります。
ざっくりこのことが分かると速さを出しやすくなります。
川を下る船の速さは、$$16+2=18$$この船は時速\(18km\)で川を下ることが分かりました。
この船が15分で川を下った時の移動した距離を求めるので、$$18\times \frac{15}{60}=4.5$$この船は15分間で\(4.5km\)川を下ったことになります。

川を下るときに船の速さは速くなり、川を上るときに船の速さが遅くなることがイメージできれば自然と速さを出すことができますよ。

それでは次の例題をみてみましょう。

例題
分速\(40m\)で流れる川を船で\(1200m\)上ります。
この船の静水時の速さが時速\(14.4km\)のとき川を上るのに何分かかりますか。

今度は川を上る問題です。
川を上る時は船の速さが遅くなります。
船の静水時の速さ、時速\(14.4km\)を分速○\(m\)に単位を変えると、分速\(240m\)になります。[1]\(14400m\div 60\)で求めることができます。
この船は分速\(40m\)で流れる川を上るので、船が川を上る速さは、$$240-40=200$$分速\(200m\)となります。

船が分速\(200m\)で\(1200m\)進む時にかかる時間を求めると、$$1200\div 200=6$$6分かかることになります。

川を上る船の速さや下る船の速さを当たり前に出せるようになるといいですね。

練習問題

1、時速\(3km\)で流れる川でボートに乗ります。
この川を\(1200m\)ボートで下ると4分かかりました。
①ボートの静水時の速さは時速何\(km\)ですか。
②このボートで同じ川を1時間8分上ると何\(m\)上ることができますか。

2、静水時の速さが時速\(15.3km\)の船があります。
この船である川を2時間上ると\(24km\)上ることができました。
①この川は時速何\(km\)で流れていますか。
②この船で同じ川を\(9300m\)下ると何分かかりますか。

解答と解説

1の解説

①まずは川の流れの速さを分速○\(m\)の形にすると、分速\(50m\)となります。[2]\(3000\div 60 =50\)で求めることができます。
川を下った船の速さを求めると、$$1200\div 4=300$$分速\(300m\)で川を下ったことが分かります。
この時船は川を下っているので、$$静水時の速さ+川の流れの速さ=川を下る船の速さ$$と、なっているので、$$300+50=250$$この船の静水時の速さは分速\(250m\)と分かりました。
あとは単位を時速○\(km\)にして、時速\(15km\)となります。

②①で求めた船の速さ分速\(250m\)を使って解きたいと思います。
川の流れは分速\(50m\)なので、この船が川を上る速さは、$$250-50=200$$船が川を上る速さは分速\(200m\)になります。
分速\(200m\)で1時間8分進んだときの距離を求めればいいので、$$200\times 68=13600$$この船は1時間8分川を上ると\(13600m\)進むことができます。

2の解説

①船が川を\(24km\)を上るのに、2時間かかったので、この船の川を上る速さは、$$24\div 2=12$$船は時速\(12km\)で川を上ることになります。
この船の静水時の速さは時速\(15.3km\)なので、川の流れの速さは、$$15.3-12=3.3$$この川の流れる速さは時速\(3.3km\)となります。

②船の静水時の速さは時速\(15.3km\)、川の流れが時速\(3.3km\)なので、川を下る船の速さは、$$15.3+3.3=18.6$$この船は時速\(18.6km\)で川を下ることが分かりました。
この川を時速\(18.6km\)で\(9300m\)下る時の時間を求めると、$$9.3\div 18.6=0.5$$0.5時間かかることになりました。
後は時間を分に単位を変えて、答えは30分となります。

まとめ

今回は川を上ったり下ったりする船を題材に扱いました。
小学校の算数の中では流水算とよばれる問題です。
今時だと川で泳ぐということは少ないのでイメージが難しいかもしれません。
そんな時は流れるプールや動く歩道などをイメージとして使うと理解しやすいこともあります。
船が川を上る時の速さは、船の静水時の速さから川の流れの速さを引く、という感じで覚えると忘れやすいので、単純に速くなるかな-?、遅くなるかな-?なんて考えると当たり前に船の速さは出すことができます。
算数として問題を読むというよりも、上る時はどうなるのなぁ?、下るときはどうなるのかなぁ?と考えながら解けるようになるといいですね。

【関連記事はこちら】
流水算が苦手をなくす解き方&教え方のコツは意外と簡単!ポイントはコレだけ!

References

References
1 \(14400m\div 60\)で求めることができます。
2 \(3000\div 60 =50\)で求めることができます。