小学3年生で登場する算数の難関、割り算。
四則計算の中では最も難しいのではないでしょうか。
今回の記事では四則計算の中で割り算が難しい理由について書いてみたいと思います。
四則計算の中でも特に割り算が難しい理由
割り算をきちんと理解することってなかなか難しいですよね。
お子さんが、小学3年生で習う割り算の内容をうまく理解できない…と、悩まれる親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
子どもたちにとって割り算の意味をつかむということは難しいものです。
足し算や引き算、掛け算にはない、割り算の難しさとは何でしょうか?
足し算や引き算や掛け算にはない割り算の難しさ
簡単な例題を用いて考えてみたいと思います。
(1)\(2+3\)
(2)\(5-2\)
(3)\(2\times 4\)
(4)\(5\div 3\)
(1)~(3)までをそれぞれ解いてみましょう。
(1)\(2+3=5\)
(2)\(5-2=3\)
(3)\(2\times 4=8\)
なんてことはないですね。
すんなり計算できると思います。
次に(4)の割り算の計算をしてみましょう。
答えは何でしょうか。
意外とこれが難しいですよね。
\(5\div 3\)を解くと、「1余り2」と考えるお子さんもいると思います。
学年が少し上がると、「\frac{5}{3}」と考えるお子さんもいると思います。
もしかしたら、「1.6余り0.2」という答えもありますね。[1]小数第一位まで求めて余りも答えるような問題ではこんな答え方もあります。
こう見ていくと「1.66余り0.02」という答えでもOKですね。
こうやって見てみると、割り算の特殊性が見えると思います。
さらに文章問題になると、もっと複雑になってしまいます。
この問題を解くと、
\(9\div 4=2\cdots 1\)となり、答えは2つとなります。
これが聞かれることが変わると…
式自体は先ほどの問題と同じ割り算の式になりますよね。
\(9\div 4=2\cdots 1\)ですね。
しかし、この時の答えは1つです。
同じ式に同じ計算結果でも、答えは一方は割り算の商の部分を見て、一方では余りの部分が答えになりました。
こう見ていくと、計算問題としての割り算も、他の四則計算とは違った複雑さをもち、文章題ではまた別の複雑さを持つことが分かります。
割り算が難しいのは等分除や包含除という概念のせい?
足し算や引き算、掛け算はイメージがしやすいです。
それらと比べると割り算は等分除、包含除と考え方が2つ出てきます。
さらに、割り切れる場合もあったり、割り切れない場合があったり・・・
割り切れない問題でも分数を使うと余りはでません。
例えば、\(7\div3\)を解くと、答えは、\(2\)余り1もしくは、\(\frac{7}{3}\)となります。[2]中学生以降だと基本的には\(\frac{7}{3}\)となります。
問題文によっては、2.3が答えということもあります。
こんな事が起こる四則計算は割り算以外にはありません。
この辺りが割り算を難しくする原因ではないでしょうか。
まとめ
今回の記事では四則計算の中で割り算が難しい理由について書いてみました。
整数同士の割り算でも色々と考えることができます。
小学生のお子さんが割り算の単元で苦戦しても不思議ではないと思います。
ただ、見方を変えると算数の基本は4つしかありません。
足し算と引き算と掛け算、そして割り算です。
この四則計算をきちんと理解することが算数ができるようになる第一歩となるのではないでしょうか。
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