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小学生の勉強のやる気を引き出す目標設定とご褒美をあげる基準

ご褒美をあげる対象は大きく分けて2種類あると思います。

成果に対するご褒美と行為に対するご褒美です。

成果に対するご褒美はテストで90点以上とったら…というようなもの、そして行為に対するご褒美は計算ドリルをしたら…というようなものです。

基本的には行為に対するご褒美の方が成果にはつなげやすいと思います。

今回の記事では、行為に対するご褒美と勉強へのやる気の関係について書いてみたいと思います。

なぜ行為に対するご褒美の方が勉強へのやる気を引き出せるのか

成績が出るまでの流れを考えてみると分かりやすいかもしれません。
小学生の場合をざっくり考えてみると、
日々の授業・宿題→(テスト勉強)→テストを受験→結果[1] … Continue reading
という流れになりますよね。

この中で子供がテストで点数を出すときに重要になるのは、「日々の授業・宿題、テスト勉強」と「テストを受験する」というところになります。
この流れにおいて日々の授業・宿題は学校に関連したものなので、親御さんからどうこう言う点というのは少ないと思います。
そうなってくると、お子さんの成績を上げるためのアプローチをする上で重視すべきところは「テスト勉強」だと考えられます。
どんなにテスト中にどこから解くのか、どこの問題で点数をとるのか、なんて考えたところで上がる点数はたかが知れていますし、小学生のテストで時間が足りないということがまずあり得ないという点から考えても、テスト中の戦略よりも、テスト勉強が重要なのは間違いありません。
テストで点を出すには「日々の宿題」や「テスト勉強」が大事という点に関しては異論を挟む余地はあまりないと思います。

2種類のご褒美がテスト勉強にどう繋がるのか

結果に対するご褒美を設定したときに見られるのは「取れたら良いなぁ」と子供が思ってしまうことです。
試験までにすべきことや計画などを使って、約束を達成しようとしている子って今までに見たことがありません。
動けたとして、勉強時間がいつもの試験勉強よりも増えるというくらいでしょうか。
ちょっと頑張っているのかな?という感じに見えます。
多少の効果はあるかもしれませんが、「結果に対するご褒美」が直接「テスト勉強」に作用するとは考えにくいです。
「結果に対するご褒美」を設定しても結果を出すためにできることがはっきりとは分からないので、効果が薄いような気がします。

それに対して「行為に対するご褒美」の場合は、「テスト勉強」そのもに直接作用する形になります。
そもそも子供がテストの点数をどうこう考えて勉強したからといって点数が伸びるという訳ではありません。
そうであれば結果のことをいろいろ考えるのは辞めて、「テスト勉強」をいかにさせるかという点に力をいれる方が得策ではないでしょうか。
テスト勉強という行動そのものを子供がきちんとすれば結果の方はついてきやすくなります。

ご褒美の目標の設定の仕方

ご褒美の目標設定は「テスト勉強」をしたら○○というように定めるのがいいのかもしれませんね。
○○の部分には具体的に計れるものが良いと思います。
やったか、やっていないのか把握できないものや、解釈の余地が大きくなってしまう内容はなるべく避けた方が無難です。

例えば、「ワークをすれば」という条件ではどれだけすれば良いのか分かりません。
「1日○時間以上の勉強をすれば」という条件では勉強した時間とはどういう状態なのか、また親御さんがそれを把握することが困難になります。
子供がやった!と言えばやったことになってしまいますよね。
逆に親御さんが「集中していない時間は勉強時間に入れない」と言って、子供が申告してきた時間を認めなければ、子供もやる気を失ってしまうでしょう。
親御さんの気分次第で勉強時間になるのかならないのかが決定されてしまうからです。
そうなれば、「どうせ勉強時間と認めてくれないだろうから、勉強なんてしない」ということになりかねません。
主観が入る余地があればどうしてもそうなりがちです。
そうならないためにも、誰が見ても同じようになるということが大切です。

「いつまでに問題集の10ページから20ページまでを終わらせる」という感じが良いと思います。
ただこの条件だともう少し足りません。
「終わった」ということをどのように判断するのかが大切です。
つまり、「終わらせた」という状態はどういう状態なのかを考えなければなりません。
とりあえず解いておけば良いのか、丸付けはしなくてもいいのか、考えると分かりにくいですよね。
曲解をされてしまうと、答えを写して丸付けでもいいとも取れますし、分からないということで答えを赤ペンで書いて終了!なんてこともあるかもしれません。
きちんとどうなったらいいのかを決めておきましょう。

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曖昧な目標を決めた場合…

目標が明確になっていないと、子供は問題集を解きさえすればいいと考えているのに、親御さんは丸付けしてやり直しまでしているだろうと考えているというように食い違うことがあります。
もし子供が終わったー!と思って親御さんに問題集を見せたときに、「丸付けとやり直しが終わってない」と言ってしまったらどうなってしまうでしょう。
たちまちやる気をなくしてしまう子供もいると思います。

子供によっては騙された!と感じるかもしれません。
もちろん親御さんは陥れるつもりも騙すつもりもなかったのだと思います。
そんなことになってしまったら、次は約束しても無駄だと子供は悟ってしまいます。
勉強して貰おうと思って始めたご褒美制度が原因で、まさかの信頼関係の崩壊なんてことになってしまっては意味がありません。
むしろしない方が良かったとなってしまいます。
そうならないようにきちんと目標の設定をしましょう。

先程の例だと丸付けはするのか、丸をするだけで良いのか、答えを赤で書き込むのか、やり直しまでとするなら、どうしたらやり直しをしたと見なすのか、きちんと決めておく方がいいと思います。
ただ、あまりにややこしいルールは子供のやる気を奪ってしまうことも頭に置いておきましょう。
大人でも条件がややこしいのってイヤですよね。

単純な条件にするのであれば、問題集の約束の範囲を解く→赤ペンで丸付け→間違えたモノは赤ペンで正しい答えを書く、というくらいでいいのではないでしょうか。
このチェックをするときは、きちんと条件が守られていればケチを付けてはいけません。
何か要求、要望があれば必ず事前に条件に盛り込んでおかないとフェアではありません。
子供はそれをルール違反ととらえます。

ご褒美をあげられるかチェックするポイント

子供が約束の成果を持って来たときは事前の条件を満たしているかだけを見ましょう。
そうすることで、次回の約束でもきちんと親御さんが約束を守るということを見せることが大事です。

おそらく、ご褒美作戦を立てるということは、勉強をあまりしなくて困っていたり、成績が悪いからなんとかしたい、ということが多いと思います。
そうなれば、第1の目標は、「子供が勉強すること」となっているはずです。
ちょっと子供が勉強すればさらにもっと…という気持ちは分からなくもありません。
しかし、子供がちょっと勉強したからと言って、勉強が好きになったという訳ではありません。
本当はしたくないんです。
したくないのに親御さんとの約束を守ることで自分の欲しいものやしたいことが手に入ると思っているから勉強したんですね。
今まで勉強しなかったのが勉強した!というその成果でまずは一旦満足することも大事です。

また、チェックをして条件を満たしていれば褒めるだけにしておきましょう。
すぐに成績やさらなる勉強を要求したくなっても、そこは我慢!
絶えることのない要求が嫌になることもあります。
要求は次回のテストや何か約束をするときまで待ちましょう。
そのときにきちんと約束に新しい条件を盛り込めば子供もこれを守ればご褒美をもらえると納得しやすいのではないでしょうか。

まとめ

今回の記事ではお子さんにご褒美をあげることの是非について考えてみました。
感情的にはかなり賛否が別れるところだと思います。

しかし、ご褒美などがあることで頑張れるという側面を誰もが持っているのではないでしょうか。
その欲しいもの、求めることのために頑張るということが必ずしも悪いという訳ではないと思います。
ご褒美がいいのか、悪いのかを考えてみると、「子供だから」「勉強は自分のためにするものだから」という所にある気がします。

確かにそうなんですよね。
別に勉強しなくたって、テストの点数が悪くても親御さんが困るということは普通ありません。
だから自発的に勉強すべきだとも言えます。
少し視点をずらして考えると、子供が勉強ができて、いい大学に行って、一流企業に就職して…と考えている訳ではないと思います。
勿論意識していない、意識できないということもあるでしょう。
どちらにせよ、意識できていないのであれば、勉強をした先にあるものも考えられません。
当然ですよね。

これを大人に置き換えてみるとどうでしょう。
仕事を無給で頑張りなさい。
仕事で頑張っていれば将来いいことがあるから、と言われ頑張るでしょうか。
でも、もしかしたら、気付いていないだけで、この仕事を10年すれば、突如お金持ちになってしまうという事実を理解できていないだけなのかもしれません。
こんなことあり得ませんが、もし本当だったらどうでしょう。
あなたが知らないだけで、世界がそうなっていたとしたら。
でも、あなたは認識できないんです。
将来、良いことが起こると言うことが。
こんな状態で、「お前のためだ頑張れ!」と言われてできますか?

子供の目から見るとこんな状態と同じなのかもしれません。
親御さんは世の中がどういう所か知っています。
知っているからこそ子供に勉強して欲しいと思っているのだと思います。
そうであればそのいい方向に導く手段としてご褒美という手段を使うというもありな気がします。

ご褒美の良いところは即効性があるところです。
うまく使えば子供に取っても親御さんに取っても有益となります。

気を付けたいのはご褒美慣れです。
ご褒美が大きくなって来たら要注意です。[2] … Continue reading
とめどもなくご褒美が大きくなっていってしまいます。
この辺はうまくやっていきたいですね。

References

References
1 小学生だとテスト勉強はしていない子としている子がいます。していない子の場合はうまくテスト勉強をするように誘導してあげると良いと思います。
2 これはやばい!と思ったのは、「取った点数に0を2つ付けた金額がもらえる」というご褒美です。このご褒美がすごかったのは、小テストでももらえるという破格のご褒美!ここまでいけば怖いものなしです。