小学生にとって分数の計算は難しいものです。
数字1つ1つを見てみても、なんのことやらさっぱり…
上と下に数字があって意味がわからんー…なんて小学生が多い気がします。
計算は算数や数学の基礎とはいえ、意外と難しいものです。
今回の記事では帯分数[1]帯分数とは整数の部分と分数の部分のある分数のことをいいます。例えば\(1\frac{1}{2}\)や\(5\frac{3}{7}\)のような分数がこれにあたります。を含んだ掛け算について書いてみたいと思います。
帯分数のあるかけ算のやり方は?なぜ仮分数になおして計算するの?
それでは早速例題を使ってみていきましょう、
\( (1)2\frac{2}{3}\times \frac{1}{5}\)
真分数や仮分数の形であれば、分子同士、分母同士を掛ければいいのでそんなに難しくありません。
分子同士、分母同士を掛ければいいと考えたときに、\(2\frac{2}{3}\)という帯分数がちょっと邪魔な感じですね。
やはりちょっと形が変わるだけで、手が出なくなるということが多いです。
見慣れない形の時は見慣れた形に直してしまうと、やりやすくなります。
この場合だと帯分数を仮分数に直せば、見慣れた分数の式になりますよね。
\(2\frac{2}{3}\)を仮分数に直すと、\(\frac{8}{3}\)となります。
\(2\frac{2}{3}\)を\(\frac{8}{3}\)に置き換えて解いてみます。
\( (1)2\frac{2}{3}\times \frac{1}{5}=\frac{8}{3}\times \frac{1}{5}\)
\(2\frac{2}{3}\)を\(\frac{8}{3}\)に置き換えてみると、見慣れた分数同士の掛け算になりました。
後はこれを計算して、\(\frac{8}{15}\)が答えと言うことになります。
やり方そのものは普通の分数の計算と同じです。
ただ帯分数は数学ではかなり扱いにくい数になります。
基本的に、帯分数があれば仮分数に直して計算するのが楽なことが多いです。
お子さんが、どうにも算数が苦手…という場合は、帯分数が出てきたら、仮分数に直すように教えてあげると負担が少し減るかもしれませんね。[2] … Continue reading
それでは(2)をみてみましょう。
(2)も先ほどの(1)と基本は同じです。
まずは帯分数を仮分数にしましょう。
\( (2)3\frac{1}{2}\times \frac{3}{14}=\frac{7}{2}\times \frac{3}{14}\)となります。
この時分子の7と分母の14は、7で割れるので計算をする前にきちんと約分しましょう。
約分は計算している途中で出来るようにしましょう。
約分は計算を楽にする手段なので、できなくてもいいと思われることもありますが、意外と約分ができないというのは、数学ができないにもつながりやすい気がします。
と、いうのも、約分ができないということは、計算途中にどうしても一旦大きな数になってしまいます。
それをもう一度約分して、割るのは…面倒ですし、ミスも増えます。
また数字が大きくなると計算の難度がどうしても上がってしまうので、答えが合えばいいや!とは考えずに、計算過程もきちんとしたやり方でできるようにできるといいですね。
(2)の答えは\(\frac{3}{4}\)となります。
さらに(3)をみていきましょう。
帯分数を仮分数にしてから計算しましょう。
\( (3)\frac{5}{12}\times 1\frac{3}{10}=\frac{5}{12}\times \frac{13}{10}\)
帯分数から仮分数に直してみると、途中で約分ができるので、分子の5と分母の10で約分してから計算します。
すると答えは、\(\frac{13}{24}\)となります。
(4)をみてみましょう。
(4)では、2つの分数のどちらも帯分数の掛け算になります。
この時も1つ1つきちんと手順を踏んでいけばきちんと解くことができます。
まずは、2つの帯分数を仮分数にしてみましょう。
\(2\frac{3}{4}\times 1\frac{2}{3}=\frac{11}{4}\times \frac{5}{3}\)後は計算をして、答えは\(\frac{55}{12}\)となります。
練習問題
次の計算をしましょう。$$(1)1\frac{5}{7}\times \frac{8}{3}$$$$(2)2\frac{1}{4}\times 2\frac{2}{3}$$$$(3)1\frac{1}{2}\times 3\frac{1}{4}$$$$(4)4\frac{2}{3}\times 5\frac{2}{5}$$$$(5)4\times 2\frac{4}{5}$$
解答
$$(1)\frac{32}{7}$$$$(2)6$$$$(3)\frac{39}{8}$$$$(4)\frac{126}{5}$$$$(5)\frac{56}{5}$$
まとめ
今回の記事では帯分数を含んだかけ算の計算について書いてみました。
帯分数を含んだ掛け算の計算や計算問題では、まずは帯分数を仮分数になおすとうまくいきます。
かけ算では帯分数が出てきたら、仮分数に直すものだと思ってOKです。
と、言うよりも、そうしないと計算がうまくできません。
1つ1つできるようになるといいですね!
References
↑1 | 帯分数とは整数の部分と分数の部分のある分数のことをいいます。例えば\(1\frac{1}{2}\)や\(5\frac{3}{7}\)のような分数がこれにあたります。 |
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↑2 | かけ算や割り算の場合は基本的に帯分数は仮分数にしないと計算できないと考える方がいいかもしれません。そのまま計算するとややこしくなること間違いなしではないでしょうか。ただ、分数の足し算や引き算では少し事情が変わることもあります。帯分数があっても帯分数のまま処理したほうが、特に足し算において、計算が楽になることの方が多くなります。しかし、足し算や引き算で帯分数を仮分数に直すことで、計算が多少面倒になるというくらいなので、どうにもうまく計算ができないという時は帯分数を仮分数に直すものだと教えてもいいかもしれませんね。もちろん慣れてきたら、何でもかんでも、帯分数をみれば仮分数にしよう!とせずに、どうしたら計算が楽になるかなぁ?という視点を持ってもらってもいいかもしれませんね。 |