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小学校の算数のテストの採点に納得がいかない!なにこれ!?おかしい!と思ったら…

学校に通っていれば、テストはつきもの。
テストを作ったのも人間であれば採点するのも解くのも人間。
返ってきたテストを見てどうしても採点に納得がいかないなぁということは、親御さんの学生時代を思い返してみてもあるのではないでしょうか。

逆に学生時代のテストの採点全てに納得がいったという方の方が少ないと思います。
もうアラフォーになろうかとしている私にも学生時代の納得のいかなかった採点を覚えているものもあります。
1番納得のいかなかったのは、中学校1年生のときの保健体育のテストのこと。
また、驚いたテストの1つでもあります。

この話はまた後程にでも…

今回の記事では小学校の算数でありがちな納得のいかないテストの採点について書いてみたいと思います。

小学校の算数のテストの採点のお話

算数は学問の性質上、あまり解答に幅がでないのが普通です。
特に小学校の段階では計算過程などが複雑になる問題はごく稀にしか出ないなので、大抵解き方はみんな同じようになります。
しかし、みんなと同じことを似たように書いたのに自分だけがバツを付けられてしまって採点に納得がいかないということもあるのではないでしょうか。

特にお子さんの答案がそうなってしまったときはどう対処したらいいのでしょうか。

小学校の先生の採点に納得がいかないときはどうすればいい?

お子さんのテストの答案に疑問を持ったとき、1番いい解決方は、先生に直接確認してみることです。

MEMO

小学校のテストの採点に納得がいかない時は、担任の先生に直接確認しましょう。

「そんなことくらいで、親がでるのも…」と考えてしまう親御さんもいるかもしれませんが、あくまでお尋ねです。
単純にその答案がダメな理由を尋ねるといいですね。
そのときのスタンツはあくまでお尋ねです。

「うちの子が書いた答えは合っているのに、なぜダメなんだ。丸にしろ!」なんて思って先生と話すのはやめたほうが得策です。
確かに算数的、数学的にはお子さんの答案が正しいこともあります。
特に親御さんが、算数や数学が得意な方のときは尋ねる間もなくお子さんの答えが正しいということが分かることもあると思います。
先生が子供に対しての好き嫌いで丸になるのかバツになるのかが決まっているのであれば論外ですが、別の理由があることもあります。

今後、お子さんに算数が得意になってほしいという先生の想いがあることもあります。
お子さんの先々を考えると、答えが合っていてもバツにしたほうがいいのかなと考える先生もいると思います。
もちろんあまり考えていない先生もいますが…
きちんとお子さんのことを考えてバツをつけてくれたのであれば、なぜバツにしたのかという先生の考えを把握することはお子さんの成長につながる可能性があります。
親御さんも納得のいく理由であれば、お子さんの答案に丸をもらうよりもバツを付けてもらったほうがいいこともあるのかもしれません。

掛け算が不正解になるのは順序に理由があるの?

そんな納得のいかない採点の中でもよく聞くのが掛け算の文章問題の式の採点ではないでしょうか。

例えば、リンゴが2つずつ入った袋が3袋あります。
全部でリンゴはいくつありますか。

小学校のテストでは、式と答えを書くことがほとんどです。
この時問題になるのは式です。
一応式としては2つ考えられます。$$2\times 3=6$$$$3\times 2=6$$どちらも答えは6になるので答えとしては、違いがありません。
しかし、後者の\(3\times 2=6\)は、バツになってしまうことが、結構あります。

この理由は、掛け算の基本的な意味が「1あたりの数×いくつ分」ということであるのに起因します。
\(2\times 3=6\)の式の意味はリンゴ2つのかたまりが3つあるということを示すので正解となります。
\(3\times 2=6\)の式の意味は袋3つのかたまりが2つあるということを示すことになり、意味をなさないので不正解という扱いになります。

ただ、この採点の考え方には、批判が多いのも事実です。
掛け算は入れ替えても結果は変わらないという交換法則[1]\(a\times b\)を\(b\times a\)にしても結果は同じであるという法則のためです。
その考えに立てば、\(2\times 3\)も\(3\times 2\)も同じ意味なのでどちらも正解となります。

かけ算の順番は必要なのか、不要なのか

とりあえず正解かどうかだけ見ればどちらの式も丸でいいのではないかと思います。

テストの採点から考える、かけ算の順番なんてどうでもいいとしたときの問題点

どちらでもいいとなったときの弊害を考えてみましょう。
もし、どちらでもいいとなると、学校のテストではあらかじめ何算を使うのかがばれていることが多く、2数しか出てこないので、適当に×の記号を間に挟んで2つの数字を書けばすべて丸になってしまいます。
とりあえず問題文にある2数を掛け算にしてしまえば全て正解できます。
何にも考える必要なんてなくなっちゃうんですね。
そもそも掛け算の単元であれば掛け算しか出てこないので、適当に出てきた数をかければいいとなります。
かけ算の順番というよりも問題が簡単すぎることが問題なのかもしれません。

テストの採点から考える、かけ算の順番は大事だとしたときの問題点

掛け算の順番が採点基準に入ることで、どんなメリットになるのかということです。
かけ算の順番が守られていると、見た目には「1あたりの数×いくつ分」という概念を理解して答えてくれているように見えます。
しかし、難しいのが、このことを本当に理解しているのかということなんです。

この順番を守るには、単位に注目するだけで、「1あたりの数×いくつ分」ということを意識することなく、うまく立式することができます。
どういうことかと言うことを先ほどの問題を使って説明します。

リンゴが2つずつ入った袋が3袋あります。
全部でリンゴはいくつありますか。

この問題では、なんとなく$$2\times 3$$もしくは$$3\times 2$$ということは容易に分かると思います。
この問題で聞かれていることは、「全部でりんごがいくつあるのか」ということです。
答える単位は、「~つ」もしくは「~個」となります。
また、問題文中に与えられている数字は、「2つ」「3袋」の2つです。

「~つ」と答えるはずなので、「~つ」となっている数「2つ」が先に来ると考え、$$2\times 3$$と立式することができます
このように考えていくと、掛け算の順番に意味づけた理由とは違う方向から、掛け算の立式ができたことになります。
つまり、「1あたりの数×いくつ分」という概念を理解したことからその式を立てているというわけではないのです。
式に順番を付けたところで、「1あたりの数×いくつ分」を理解した上で立式しているのかの判断をすることは難しいと言わざるを得ません。
テストで点を取るためだけの暗記事項が増えてしまうだけということになってしまいます。
逆に「いくつ分×1あたりの数」という順番で式を書いたから分かっていないということもありません。
子どもたちが書いた掛け算の順番から理解度をはかるということそのものが難しいと思います。

今はテストを中心に考えましたが、どちらでもいいとなった時に学校ではどのように教えるようになるのでしょうか。

選択肢は3つあると思います。

1つ目はとりあえず掛け算かどうか判断できれば、2数を掛ければいいと教える方法です。
先程のリンゴの問題で考えると、掛け算と思ったら2つのある数を掛け算にすればいいから、\(2\times 3\)か\(3\times 2\)のどちらかを式として記入すればいいとなります。
掛け算だと分かれば、掛け算の式にすればいいということです。
掛け算の単元をしているときには、テストの問題に掛け算しかでてこないので、問題を読まずに2数の掛け算にすればいいと子どもたちは学んでしまいそうですね。

2つ目はどちらでもいいと言うことをきちんと教える方法です。
掛け算は「1あたりの数×いくつ分」という考え方で教わるはずですが、この逆も教えちゃうと言うことです。
「いくつ分×1あたりの数」という考え方も教えてしまうということですね。
学ぶことが増えてしまいますね。
現状の「1あたりの数×いくつ分」でも苦戦している子たちがその逆の意味もきちんとつかむのは大変そうです。
ただ、こうなってくると、テストではどちらを書いても正解になってしまいます。
逆を教えても教えなくても、テストではどちらも正解となるという点においては、先生の負担が増加するだけかもしれません。

3つ目は今まで通り教えて、テストではどちらでもいいとしてしまう方法です。
この方法の問題点は先生が説明することが意味を持たないという点でしょうか。
テストでは掛け算の順番はどうでもいいのに、授業中だけ順番を考える必要性があるということです。
テストではどちらで書いてもいいのに授業中だけ順番を考える必要があるということを子どもたちが納得してくれるかが懸念する点ですね。
授業中の段階で順番なんてどうでもいいとなりそうです。

掛ける順番はどちらでもいいとすると子どもたちにどう伝えるのかがポイントになりそうですね。
ただ、掛け算の順番に意味があるとしても、子供たちがきちんと理解できるのかというと、難しそうです。

かけ算の順番は気にしなくてもいいのでは?

私は、順番は気にしなくていいと思います。
一応、掛け算に順番を持たせることに意義を見出そうとすると、理解度をはかることくらいでしょうか。
しかし、掛け算の順番に意味を持たせたところで、理解度もはかれそうにありません。
順番に意味を持たせたところで、そもそも掛け算の順番そのものに意味はありませんし、答えるときの単位になるものを先に書いた掛け算にすればいいとなるくらいなものだと思います。

ちなみに私はこの掛け算の順番があるという考え方を小学校時代に習いました。
一応、学校の先生が順番を気にするのでその通りに書いていましたが(テストでは減点されていたと思います)、なぜその順番があるのか不思議でした。
結局、順番に関してはよくわからなかったので、求める答えの単位のついた数を先に書くということを習得しました。
小学校で求められたかけ算の順番はできるようになったように思いますが、特にメリットはなかったと思います。
あったのは、覚えることが増えたという手間くらいでしょうか。
もし理解度をはかりたいのであれば、掛け算の順番に意味を見出すのではなく、問題のレベルをもっと上げたほうが分かると思います。

算数のテストでおかしい!なにこれ!?と思ったら

テストの採点は先生がするとは言え、言ってしまえば所詮人間のすることです。
一応の採点基準はあっても多少の裁量の余地があります。
そのため、「??」となるような採点も多少はあると思います。
また、小学校であれば先生の意図が子供たちに伝わりにくいこともあり、その伝わっていないことを子供たちが親御さんに伝えることでさらに「??」となってしまうこともあります。

先生→お子さん→親御さんという伝言ゲームの途中で内容が変わってしまうこともあります。
算数の採点の内容であれば、ほぼ間違いなくきれいに伝言ゲームができるお子さんのほうが少ないと思います。
先生がお子さんに説明したことが、そのまま伝わるということも少ないと思います。
さらに先生が伝えた内容をお子さんが親御さんに伝える時に、先生の意図を汲んで伝えることができるお子さんが取れだけいるのでしょうか。

先生から説明されたことを親御さんに正確に伝えれれるお子さんの方が、圧倒的に少数だというのは想像できると思います。
また、さらにこの伝言ゲームは続きます。
伝言ゲームが続くというのは、先生→お子さん→親御さんという経路をたどって親御さんの元に情報が届いたはずです。
と言うことは、先生に伝わるまでに、今度は、親御さん→お子さん→先生という過程をたどって先生に伝わります。
つまり、お子さんは先生の話を聞いて、その内容を伝え、さらには親御さんの話を聞いて、その内容を伝えるわけです。
そのまま伝わるはずがありませんよね。

と、いうことは、親御さんがお子さん伝いに先生に尋ねたとしても、親御さんの意図も伝えることができませんし、先生の意図も伝わりません。
お互いに誤解が深まり、「なんだあの子の親は…」となってしまったり、「あの先生は分かってない…」となったりしてしまっては、学校と親御さんの関係が悪くなるだけでいいことなんて何1つありません。
お子さんにとってもいいことはありません。

小学校のテストの採点にどうしても納得がいかない、という場合は直接先生に尋ねるのが一番だと思います。

まとめ

今回の記事では小学校のテストの採点が納得がいかないときはどうしたらいいかについて書いてみました。
1番いいのは直接学校の先生に確認することです。
なぜダメなのか、ということを聞いてみるのがオススメです。
その上でどうお子さんに伝えるかを判断してみてはいかがでしょうか。

今回は掛け算の式を例に考えてみました。
「順番に意味を持たせるべき」という方もいれば、「順番なんてどっちでもいい」という方もいらっしゃいます。
どちらが正解というのは、難しいところだと思います。

お子さんの成長に合わせて学校の先生がテストの採点をする訳にはいきません。
やはりそこには公正な採点が必要になってくるため、どうしてもドライな部分が入ってきてしまいます。

親御さんは先生の事情も加味して、先生も親御さんや子どもたちの気持ちをくんであげられるといいのかもしれませんね。

あ!?私が納得のいかなかった保健体育の話をしていませんでしたね。
そのときの保健体育の内容は筋肉や骨の名前を書く問題がたくさん出題されたテストでした。
たくさん出たと言っても、用語をそのまま書くだけなのでテストが早く終わって暇をもてあましていました。
あまりの暇さに耐えられず、答案の文字を太くしてレタリング調の答案を作ったところ、そうした大問全てがまさかの丸ごとバツにされてしまいました。
理由を聞くと、レタリングをしたことが不正行為ということでした。
なぜ不正行為だと思われてしまったのかは、未だに分かりません。
ただ1番納得のいかない採点であったことは間違いありません。
まぁどうでもいい話ですね。

References

References
1 \(a\times b\)を\(b\times a\)にしても結果は同じであるという法則