三角形や四角形の面積を求める際にちょっと変わっているのがひし形の面積の公式。
1つも辺の長さも使うことなく面積が求められるのは、ひし形くらいです。
ひし形の面積の求め方やなぜ面積が求められるのかということについて解説します。
ひし形の面積の公式は?
それでは早速ひし形の面積の公式をみてみましょう。
ひし形の面積\(=\)対角線\(\times\)対角線\(\div 2\)
ひし形の面積の公式はなんてことないですが、この公式はなかなか使いにくいというお子さんが多いです。
それはなぜかというとひし形がどんな図形かが分かりにくいからです。
ひし形がどんな図形なのかが分からなければ、どう解けばいいのかということを決めることが難しくなります。
お子さんがひし形の面積が求められないという場合は、まず、ひし形の特徴をしっかり理解して、覚えてもらいましょう。
ひし形ってどんな図形?定義は?覚え方は?
ひし形の特徴をしっかり答えることができるお子さんってどれくらいいるのでしょう。
ひし形の面積が求めにくいのは、ひし形がどういう図形なのかということが捉えにくい点にあります。
ひし形は4辺すべての長さが等しい四角形のことをいいます。
ただ意外とこの条件って覚えにくいので、こんな感じで覚えておくと小学生には分かりやすいと思います。
ひし形とは正方形をつぶした四角形です。
こんな感じで覚えておくといいですね。
それと比較して、覚えておきたいのが平行四辺形です。
平行四辺形はひし形と同じようにある四角形をもとにイメージしておくといいですよ。
平行四辺形とは長方形をつぶした四角形です。
こんな感じで平行四辺形とひし形を覚えておくといいです。
絶対押さえておきたいひし形の特徴
ひし形の特徴で必ず押さえておきたいのは、対角線の性質です。
ひし形の対角線は垂直に交わり、互いにそれぞれの対角線の長さを2等分しあうんです。
簡単に言うと2本の対角線はそれぞれの真ん中で直角に交わるということです。
つまり、図形で書くとこのようになります。
このことを使ってひし形の面積を求める公式がなぜ対角線×対角線÷2になるのかということについて考えてみます。
なぜひし形の面積の公式は対角線×対角線÷2になるの?
対角線×対角線の意味から考えるひし形の面積
まずは、対角線×対角線がどこの面積になるのかと言うことについてみていきます。
この2本の対角線は垂直に交わっているので、対角線×対角線は下の図の部分の面積を求めたことになります。
また、下の図のように図の長方形を直角三角形8個に分けてみます。
さらにこの直角三角形はすべて合同な三角形です。[1]大きさも形も同じ図形のことを合同な図形といいます。
長方形は直角三角形8つからできています。
それに対してひし形は直角三角形4つからできています。
つまり、対角線×対角線で求めた長方形の面積を半分にすることでひし形の面積となることが分かります。
このことから、ひし形の面積=対角線×対角線÷2となることが分かりました。
等積変形を使ってひし形を三角形にして、ひし形の面積を求める方法
ひし形を縦の対角線で分けます。
すると、縦の対角線の左右に2つの三角形ができます。
さらに、縦の対角線を底辺として、三角形をみていきましょう。
右の三角形に着目します。
右の三角形の右側の頂点を通り底辺と平行な直線を引きます。
次にこの2本の平行線を使って右側の三角形を下の図のように等積変形してみます。
同じように左側の三角形も下の図のように等積変形してみます。
するとひし形から二等辺三角形ができました。
この二等辺三角形は、左右の三角形をそれぞれ等積変形したものなので、もとのひし形の面積とこの二等辺三角形の面積は等しくなります。
もう一度二等辺三角形に目をやると、二等辺三角形の底辺の長さは、ひし形の横の対角線の長さと等しく、そして、この二等辺三角形の高さに当たるのが縦の対角線の長さです。
つまり、ひし形の面積は、対角線×対角線÷2ということが分かります。
まとめ
ひし形の面積の求め方について解説しました。
ひし形の面積を求める公式は難しくありませんし、実際にこの公式を使うことができないという小学生は少数派です。
しかし、図形にひし形という条件が与えられていないと、かなり難しくなります。
特にひし形の面積を習って時間が経ってしまうと、ひし形ってどんな形だったのかが分からなくなりがちです。
そうなってくると、ひし形の面積の公式を使うと決定するのはますます困難になります。
またひし形の条件があやふやだと、平行四辺形とひし形の区別がつかない、そもそもひし形の特徴が分からない…となってしまいます。
そうなってしまうと、ひし形の面積の公式がどうこうなんて問題ではなくなってしまいます。
ひし形の面積を自信を持って求められるようにするには、まずはひし形がどんな形なのかを理解することが大切です。
ひし形がどんな形なのかが分かるようになれば、公式も使いやすくなるのではないでしょうか。
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References
↑1 | 大きさも形も同じ図形のことを合同な図形といいます。 |
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